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HOTひといき

患者さんの声

2010.7.10

骨粗鬆症の治療薬を服用中の患者さんからのお手紙

骨粗鬆症の治療薬を服用中の患者さんから、このようなお手紙をもらいました。

私は平成10年4月から骨粗鬆症の薬を飲み始めました。20年3月までの健康診断では、「わずかに基準範囲をはずれていますが、日常生活にさしつかえありません」ですんでいましたが、21年8月の健康診断で「貧血を認めます。内科を受診して下さい。腎機能の低下を認めます。泌尿器科を受診して下さい。」とありました。

病院に行きましたが、当初原因がわからず、様子を見ているうちに腎臓の状態がどんどん悪くなるので、22年6月に大学付属病院腎臓内科を受診しました。診断は骨粗鬆症の薬による副作用としての腎障害とのことでした。

血液内のカルシウムが14.9あります。正常値は8.4から10.4なのでかなり高い値です。長期間飲んでいた薬により、カルシウムが骨に蓄積されず血液に蓄積されていたのです。

一旦薬を全部中止して経過を見たところ、1ヶ月ほどで血中のカルシウムは8.8と正常に戻りました。腎機能のダメージを表すクレアチニンは2.11から1.20に下がりました。正常値0.8よりまだ高いですが、とりあえず安心だそうです。この後は、近くの泌尿器科でときどき検査してもらって、経過観察することになりました。

もし血液中のカルシウム値の検査を定期的に受けながら薬を飲んでいれば避けられた副作用のはずです。特に腎機能障害はひどくなれば腎不全に移行し、とても大変なことになることを後で勉強して知りました。骨粗鬆症のお薬をお飲みの方は、ときどきカルシウムの血液検査を受けられた方が良いと思い、この原稿を書きました。

:この患者さんがお飲みになっていた薬は、①活性型ビタミンD3製剤(腸管からのカルシウムの吸収を促進し血中のカルシウムレベルを上昇させる作用)と、②ビスホスフォネート製剤(骨吸収を抑制し骨密度を増加させることで骨折を予防する作用)の2種類だそうです。どうやら、やはり血中のカルシウム値を上昇させる副作用があり、それにより腎臓に負担がかかって腎障害を引き起こす事がある・・・薬です。ともに骨粗鬆症の治療には頻繁に使われる薬のようなので、もし同系薬をお飲みになっている方は、ご忠告のように定期的にカルシウム値のチェックをしてもらってください。

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