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News Release
医語よろしく

2012年1月~

【2012.4.17】

千葉県は乳がん多施設共同臨床試験のちょ~後進県である!?

 6月の千葉乳腺疾患研究会は、千葉県がんセンター乳腺外科の中村力也先生が当番幹事で、「乳がん多施設共同臨床研究」をテーマに開催されます。それに関連する演題で、千葉県の現状を報告いたします。みなさまぜひご参加ください。

(演題)
乳がんに関する全国規模の多施設共同臨床試験グループにはJCOG、WJOG、JBCRG、CSPORなどがあり、このうち唯一CSPORのみが臨床研究に意欲のある施設が自由に参加できるグループである。このCSPORでは、現在NSAS-BC 05、06、07、SELECT-BC-CONFIRMなど、複数の多施設共同臨床試験がon-going(症例登録中)で、全国の施設からの症例登録は順調に進んでいるが、このNSAS-BCの試験にいかに参加協力しているかをみれば、その施設や担当医の臨床試験に対する意識のほどが推測されよう。

2009年乳癌学会調べによると全国の乳がん登録数は年間33836例、千葉県は1642例(対全国比率約5%)で都道府県別には全国7位である。また年間手術数が50例を超える施設の数や乳腺専門医数の対人口比率をみると、千葉県は神奈川県、福岡県、埼玉県などとほぼ同程度の「乳がん診療体制充足県」である。

2012年4月時点でNSAS-BC 05試験 に症例登録した施設数は、全国で110施設、神奈川県3,福岡県4、埼玉県3、千葉県は1施設で対全国比率は0.9%、NSAS-BC 06試験に症例登録した施設数は、全国で89、神奈川5,福岡6,埼玉1,千葉は3施設で対全国比率3.3%と、診療体制充足度がほぼ同程度の他県と比べると、千葉県施設のNSAS-試験への参加状況はきわめてよろしくない。

さらに全国には、KBOG神奈川乳がん研究グループ、KBC-SG九州乳がん研究会、SBCCSG埼玉乳がん臨床研究グループほか中部、近畿、広島など地区地域を中心とする公的多施設共同臨床試験グループが9つあるが、現在千葉県にはそのような研究グループは存在していない。

以上、千葉県内の施設の乳がん共同臨床試験の参加は決して活発であるとは言い難く、むしろ意識がかなり低いと言わざるをえない。今回、県内施設の乳腺担当医師ならびに患者さん達に、臨床試験への参加の意識を高めてもらう目的で、千葉県の乳がん多施設共同臨床試験の現状を報告する。