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News Release
医語よろしく
2012年1月~
【2012.3.12】
はしれメオス MEOS
- 専門医R:
- くっそ~~あたまにくる!
- 科長 M:
- なんだなんだ?、なにカリカリしてんだよ。
- 専門医R:
- 例の MEOSメオス のことですよ。
- 科長 M:
- メオス・・って、あの自分の身代わりになって捕まった友人を助けるためにひたすら走って、友情を一層深めたっていう、太宰治の「はしれ!メ・・
- 専門医R:
- そりゃ、メロスでしょ! そうじゃなくてえ・・
- 科長 M:
- じゃ、あの、カメ型大怪獣「ガメラ」の永遠の宿敵、コウモリ型超音波殺人怪獣「ギャ・・
- 専門医R:
- ギャオスじゃないってば!
- 科長 M:
- わかってるよ、術前ホルモン療法がよく効いた閉経後の乳がん患者さんには、果たして術後に抗がん剤が必要かどうかを調査する、世界的にも注目されてる大規模臨床試験・、MEOSメオス試験(注1)のことだろ。
- 専門医R:
- そうですよ、それのことです。わかってんなら、最初からまじめに話して下さい!
- 科長 M:
- だって君があまりにイライラしてるから、ちょっとクールダウンさせてやろうと思って冗談いってみただけだギャオス・・・
- 専門医R:
- んもう~~~
- 科長 M:
- そんでもって、そのメロス・・じゃない、メオスがどうしたって?
- 専門医R:
- 症例の登録状況が芳しくなくて、予定症例にまで到達しないかもしれないからって、(目標登録症例数1700例、現時点で登録はまだ600例)昨年末、いったん試験が中断したのはご存じですよね。
- 科長 M:
- うん、なんかそんなこと聞いたな
- 専門医R:
- でもその後、もう一回検討し直して、当初の予定では5年にしていた観察期間を10年に延ばすことによって、登録症例数が最低850例あれば統計学的に有意差を検出できそうだ・・というので、再度、登録再開、目標850例まで頑張ろう・・ってことになったんですよ。
- 科長 M:
- そうだな、下方修正しても、それでちゃんと結果が出てモノが言えるんだったら、最後のチャンスで頑張るしかなかろう?そういえば、君は、昨年度のメオス試験の症例登録数が全国的にも抜群に多く、この試験をお手伝いしている臨床試験推進団体シスポカCSPOKA(注2)の、年一回の全国集会で最優秀ドクターとして表彰されたそうじゃないか。そんな優秀な君がなんでこのメオス試験に怒ってンだよ。
- 専門医R:
- 再開してから、みんななんだかトーンダウンしちゃって、全然新規の症例登録をしないんですよ。こんなんじゃ、850例すら危ういです。危ういどころかぜったい到達しません。
- 科長 M:
- でもこれまで症例登録が多かった上位の先生達は、再開してからも頑張って登録してンだろ?
- 専門医R:
- 僕は先月も2例の症例を新たに登録し、中断前のハイペースを取り戻しつつあるンですが、他の先生からはまったく音沙汰なしです。どう見ても最低850例までは死にものぐるいで頑張ろう、・・って感じじゃないです。世界中が注目している試験なのに、これで症例足らずにポシャっちゃったら、かっこわるいでしょう.第一、現在まで試験に協力してくれている600人もの患者さん達にも申し訳ないじゃないですか。
- 科長 M:
- そうだな、君のいうとおりだよ。それで君はカリカリしてんのか
- 専門医R:
- そうなんです、が、実は僕がイライラしてる理由は、それだけじゃないんです。・・・
- 科長 M:
- ほう。
・・・・・・・・その2に続く。
注1:正式名はネオスNEOS(New primary Endocrine-therapy Origination Studyの略)、後述のCSPOR(シースポア)が支援するN-SAS BC( National Surgical Adjuvant Study of Breast Cancer) 乳がん術後補助療法臨床研究の第6番目の大規模臨床試験 のこと、
注2:正式名はCSPORシスポア:Comprehensive Support Project for Oncology Research の略で財団法人パブリックヘルスリサーチセンターが実施するがん臨床研究支援事業のこと