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医語よろしく
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■2007年1月～
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 2007.5.7
あんたのがんは勢いが速いから・・？
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乳がんの診断がついて、これから手術をお受けになる予定の患者さんが泣きながら医療相談に来られた。
「外来の担当医の先生に『あなたのがんは勢いが速いから、そのつもりでいなさい』と言われたんですが、私は怖くなって心配で夜も寝れません。私は大丈夫でしょうか？」・・・
ことの経緯を聞き出すと、こういう事らしい。
乳がんのしこりは1.5cmくらい、むしろ早期がんに該当するから、けっして大きな腫瘤ではなさそうだ。初診の時、超音波でしこりを確認しその部位に針を刺して細胞診の検査をした。がん細胞を確認した後、手術の入院予約とその他の必要な検査が計画された。数週間後に撮影された乳房のＭＲＩ検査で、しこりから少し離れた場所に数mmの小さな塊が見つかり、どうやら乳管の中をがんが広がって離れた場所でしこりを形成しているらしい。そこで、乳房内の広がりを確認し温存手術の適応になるかどうか判断するために、担当医がもう一度超音波検査をしたところ、以前の初診の検査時には見られなかった※小さな腫瘤が、メインのしこりから少し離れたところに確認されたという。初診の時の超音波検査から２回目の検査まで約１ヶ月の期間があったので、担当医は
「わずか１ヶ月のうちに、以前なかった※小さな塊が出現しているってことは、あなたのがんは、かわいそうだけど大きくなる勢いが速いよ・・・覚悟しておきなさい」と伝えたらしい。
患者さん（素人さん）がこれを聞けば、不安を感じるに決まっている。なんという乱暴ないい加減な話をするのだろうと、担当医に怒りを覚えつつ、患者さんには『けっして大変な状況ではないから安心しなさい』と「がんの勢いが速い」わけではないことを種明かしし、説明した。問題は米のところにある。
超音波の検査は、いわゆる再現性が常に問題になる画像検査である。もっと簡単に言えば、画面を見ている検査術者（医師や技師）が、「ここに所見があるからそれをフィルムに撮影しておこう」と思わない限り、「所見のある画像」はけっして後に残らない。画像の保存の確実性が主観的にならざるをえないため、所見の確かさが術者の技量や検査目的に大いに依存してしまうという欠点がある。その点を十分ふまえた上で超音波検査を評価しないと、今回のようなとんでもない話がでっちあげられる。
ここで、『以前なかったしこり』を問題にしているが、初診の時、つまりメインのしこりが、がんか否かを判断することが最大の目的である検査の際に、乳管を広がって離れた場所に新たに腫瘤を形成しているかどうか・・などということは、場合によっては観察されずに見過ごされてしまうことだってあるし、見えていてもその時点でその画面をフィルムに残さないことだって、いくらでもあり得る。要は、「その画面のフィルムが残っていない」 事がイコール、「あやしい所見がなかった」 というわけではないのである。
このケースでは２回目の超音波検査の後に、素直に『以前の検査はメインのしこりの良悪性診断が最重要だったので、おそらくこの周りの小さい塊は、きちんと観察されず確認できなかったか、もしくは見えていてもフィルムに残さなかったかであって、急にできたモノではない・・』と説明すればいいのに、『前回の検査で見逃したと思われたらおおごとだから、前は無くて新たに発見された事にしておこう・・勢いの速いがんだって言っておけば、前回の検査で所見を見付けられなかったことをとがめられはしないだろう。』とでも思ったんだろうか、この主治医は・・
常識で考えてみなよ。目に見えないがんがわずか１ヶ月のうちに仮に数ミリの塊になるようなスピードで育ってしまったら、メインの1.5cmの塊は、もっとすごい勢いでデカくならないかい？・・・もちろん前からの1.5cmのしこりは大きさも形も何ら変わっていない・・・と主治医は付け加えたらしい。同じがんの細胞なのにそんなに立ち振る舞いが違うわけがない。患者さんに説明してても、自ら「おかしな事言ってるかな？」って、気がつかないんだろうか、おつむが足りないんじゃねえの、この主治医は・・
患者さんへ
「あんたのがんは勢いが速くて・・」と主治医から説明を受けたら、それは『医者の責任逃れ、検査の見逃しや、診断や治療の遅れやミスを隠すための言いわけ』をしていると考えてください。冷静に考えれば、つじつまの合わないお粗末な理屈であることがすぐバレますから・・それでも、「がんの育つスピードが速い」と言い張るような医者は、よっぽどいい加減な奴か、スペシャルあほな医者ですから、とっとと見限った方が良いです。
お医者さんへ、
患者さんに向かって、『あんたのがんは勢いが速い』って、口が裂けても言うんじゃねえ！言われた患者さんの身になってみろ！！その言葉は、な～～んにも事態を解決しないどころか、患者さんによけいな心配をさせてんだぞ！あんたの責任逃れや言い訳のために、患者さんを不安にさせて、おめえ最低の医者だなあ！
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