医語よろしく
2006年1月〜
2006.11.8
 説得力のある話し方?
先にがん治療学会での大腸がん化学療法のセッションでの出来事をお伝えした。"えら〜〜い外科の先生が、「大腸がんの治療は手術が主体、術後の薬物療法は強い良い薬から使うなんてとんでもない、そういう薬は再発治療まで使わずに取っておけ」・・・とわざわざ欧米から呼んだ特別講演演者の先生相手に発言した"という話である。
そのえら〜〜い大御所の先生の発言に、会場の多くの外科医が賛同したような雰囲気であったが、それに異を唱えた先生が、実は会場には居たのである・・・が・・

「術後の補助療法はがんを治癒させるのが目的です、最強の薬を最良の投与時期に使うのは、抗がん剤の治療戦略から考えれば当然のことです」と、要約すれば、こんなにシンプルで力強いメッセージなのに、が、しかし、その先生、話し方があまりにヘタすぎて、理屈っぽい言い方と回り道、枝葉の話で飾りすぎたために、一番伝えて欲しい大事な内容が、きちんと伝わってこなかった。つまり全く説得力に欠けていたわけである。

その先生は○立がんセンターの腫瘍内科(薬物治療の専門家)の先生。私は彼の発言内容はきわめて正しいと考えているが、もとの大御所のえら〜〜い先生に賛同している会場の多くの外科医達には、何のインパクトも与えなかったんじゃなかろうか?「なんだやっぱり腫瘍内科医は、ごちゃごちゃややこしいことばかり理屈こねて、結局何がやりたいのかわかんねえじゃん、やっぱり奴らに大腸がん治療の主役は任せられん・・・」と、あんまり良い印象を与えていないような、むしろ「薬物療法推進派」なのに逆効果になってしまったような気がした。座長の話のまとめ方が、その発言の「説得力」のなさを物語っていた。

声がでかいこと、態度がでかいこと、これは話をするうえで大切なスキルになる。仮に間違ったことを話しても、こういう輩の発言は説得力を発揮する。しかし、正しい知識があって、かつそういう厚かましい図々しいタイプが嫌いな人間には。けっして好ましい情報とは取られない。しかし、その正反対に、ぐちゃぐちゃと理屈っぽく回りくどく話すことは、仮に正しいことでも、何のインパクトも与えられない・・・ということを学習させてもらった。
彼の不満足なコミュニケーションスキルのせいで、日本の大腸がん化学療法の進歩が、約2年4ヶ月と8日くらい遅れてしまいそうな気がしたのは、私だけだろうか・・・


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