医語よろしく
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■2006年1月〜
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2006.3.1
セカンドオピニオン・・これで進むか?
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4月からの診療報酬改定で、患者さんがセカンドピニオンを求めた際、ファーストドクター(もともとの主治医)に、紹介料(医療情報資料作成費)5000円の収入がなされる。つまり、紹介する側に紹介料の実入りが発生するので、進んで情報提供しなさい・・・ということらしい。
さて、それがはたしてセカンドオピニオンのシステムが、うまく機能する起爆剤になりうるであろうか。患者さんがセカンドオピニオンを求めたくても、なかなか主治医にそれを言い出せないのは、主治医に対する遠慮や、言うと怒られる、その後の診療を拒否されるなど、主治医に対する妙な忠誠心や気兼ねがあり、それを素直に言い出せないような状況を作っている主治医側、つまり医者患者関係の微妙なアンバランスに大きな問題がある。
情報提供料が施設に収入としてもたらされさえすれば、主治医は患者さんにいやな顔一つせず、気持ちよくセカンドドクターへの情報提供をするのだろうか? ヘタをすると施設への医療報酬は増えても、担当した医師の給料が増えるわけでもなければ、かえって医者の方が面倒くさがって、資料作成に消極的になるかもしれない。
そもそもセカンドピニオンは、患者さんが現在受けている治療やこれから受ける治療をより安心して受けるために、つまり、現在かかっている病院での医療内容をよりよくするために、主治医以外の専門家の意見を求めるという情報収集の手段である。
そこには、ファーストドクター(主治医)に、「自分が提案した診療内容が、正しいことを他医に客観的に評価してもらい、より安心できる医療を患者さんに提供したい」という謙虚な医療従事者の良心が不可欠なのであるが、紹介料(情報提供料)が設定されたと言うだけで、そのようなセカンドピニオンの本来の意義が約束されることになるのであろうか・・大いに疑問が残る。
正直、その情報提供料は発生しないよりは、あった方がいい。セカンドオピニオンを求めて、セカンドドクターの相談室のドアをたたく患者さんの9割近くは、主治医に黙って来ているため、当然詳細な診療経過を記載したものもなく、セカンドドクターが正確な状況を把握するのに難渋することも少なくないし、新たに同じような検査や診察を繰り返すことは、無駄な作業に他ならない。その点では、主治医からの正確な情報提供書があれば、より確実なセカンドピニオンの提供がやりやすくことは間違いない。
さらに、紹介状(資料)作成をすることにより、主治医は少なくとも、通常の診療とは異なる業務時間を割かれるわけであるから、それに対する報酬はあるに越したことはない。しかし、何度も言うようであるが、その金銭の設定だけで、セカンドピニオンが進むと思ったら大間違い。
この診療報酬の改定が、患者さんにとってかえって失礼な事にならなければよいが・・
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