医語よろしく
2005年7月〜12月
2005.11.30
 抗がん剤を使わないことの不利益・・・
「十分な知識のない消費者に誤解を与えかねないため、一般人を対象とする広告は行ってはならない」・・・・医療用医薬品(医師の処方箋がなければ使用してはならない薬)の宣伝が、一般の人の目に触れない理由は、この厚生労働省からの通達のためである。つまり、がんを治し、生存期間を延長すると言う確たる効果が証明されていても、「この抗がん剤が効きます」といううたい文句が、新聞や週刊誌に掲載されることは決してないわけである。

では、誰が「この抗がん剤は効きます」と言っていいのか?・・・それは「お医者さん」なのである。と言うことは医者が自信を持って、「この抗がん剤は効きます、あなたのがんを治せます、あなたにとってきっと役に立つ良い薬です」・・と、患者さん一人一人に宣伝??(言い方が良くない!一人一人にお奨め)しない限り、患者さんたちが抗がん剤の本来のパワーをお受けになれることはあり得ないのである。それでは患者さんが不利益を被ることになる。抗がん剤の本来の良いところを享受されないこの不利益は「副作用による不利益」どころでは済まない。



実際の診察室の様子はどうだろう。どうやら副作用の話ばかりが先行して、この薬がどれだけ患者さんのためになるのか、胸を張ってそれを患者さんに喋っている医者の方がきっと少ないだろう。それでは、患者さんは不安である。だから抗がん剤は、怖いだけの身体にとって良くない薬・・のイメージがぬぐえないのである。



一方で、アガ○○○とか、メシマ○○などの、「免疫力増強にてがんに効果を発揮する」・・と広告されるキノコの類はどうだろう。これまでは全く無法地帯であったため、妙に強調され歪曲した抗がん剤の「副作用情報」に惑わされて、より身体に害のない優しいキノコの治療(治療・・なわけないのであるが)に逃れていった患者さんたちが、やたら多かったようだが、最近ようやくお上の方もそれにブレーキをかけるべく取り締まり、度の過ぎるモノは罰する方向になってきた。

「十分な知識のない消費者に誤解を与えかねないため、一般人を対象とする根拠のない誇大広告は行ってはならない」・・と冒頭の文章にちょっと言葉を付け加えれば、キノコの類ががん治療に使われるような愚かなマインドコントロールは、防げるはずである。

ある高名な腫瘍内科の先生が、何かの講演の時に話していた言葉を思い出した。今日の最後のまとめの言葉としよう。

「健康食品」と名の付いたモノはすべて「不健康食品」である。なぜなら、本当に健康になるモノはただの「食品」とよばれるはずだから・・・





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