医語よろしく
2003年9月〜12月
2003.9.17
 乳がん術後検査の意義・・
まず、患者さんからのご質問のメールです。

初めてメールをします。

昨年秋に乳がんが右腋のリンパ節に再発をし切除しました。その後化学療法を4サイクル、3ヶ月に1度のホルモン注射をして現在にいたっております。心配と言うのは化学療法が終った5月から全然血液検査も無く再発が心配だと主治医に伝えた所、「検査をして早くがんがみつかってもそうでない場合でも、切れば余命期間は同じアメリカでは検査はしない。』と言われました。しかし私はそれでは心配でこの度も12年後の再発だったので、3ヶ月に1度の血液検査をお願いしました。早期発見早期治療と言われているのにと、主治医のこのような対応は釈然としません。どのようにすれば良いでしょうか。

化学療法は1週間に1度を2週、そして2週休み、を4回繰り返し5度目はあまりの吐き気の為1週だけしてやめました。年齢は最初は37歳で、再発は12年後の49歳でした。
よろしくお願いします。

  ブレストサービスCEOのおこたえです。

メールでのご相談拝見いたしました。
まず、手術が終わった後、もしくは再発の後、画面上は何もがんの影が発見されない状態の時に(再発した腋窩のリンパ節をすでに切除しておられるので)今、治療のターゲットにしているがんは、ひょっとしたら全身のいろんな場所に潜んでいるかもしれない目に見えない画面に映らないがんでしょう。
経過観察として、血液検査(腫瘍マーカー)やレントゲン検査などをする必要があるかどうかというと、実は先生方でいろんな考え方があり、中にはこのように患者さんが不満に思う対応をされるドクターも、た〜〜〜〜〜〜〜くさん居ます。

アメリカで、そのような結果がでてきた背景には、
「保険医療が出来ない米国では、検査自体も決して安くはなく検査も極力省略しよう、検査自体に100%の正確性がないようなモノなら中途半端にやらない方がいい」という土俵があったので、それは保険制度が整っている日本の土俵とは全く異なります。その「米国独自の医療環境からもたらされた論文の結果」をもとに日本でそれと同じことをしようとしているので、先生方と患者さん達の間に溝が出来てしまって無理があるんです。

はっきり言うと、血液検査ひとつでがんの再発を見つけらるケースは確かにとても少ないですが・・・たとえば腫瘍マーカーは、体の中のがん細胞の数が、よっぽど増えた状態でないと異常高値を示してきません、ですから、腫瘍マーカーが正常だからと、体の中にがん細胞はないなどと考えることは、とうてい無理なわけです。となると腫瘍マーカーの定期チェックは再発の早期診断のためには意味がない??胸のレントゲンやCTを撮って、そうですね、3mmとか5mmくらいの塊にならないと、画面で診断することは出来ません。・・・だから、レントゲン検査も意味がない??

しかし、そのような検査をすることで、患者さんもドクターもひとつの安心材料になったり、また元気で生活しようと思う励みになったりするわけですから、一概に、ごく小さなモノは発見できないからと、検査に全く意味がないわけではありません。

再発の心配や恐怖心をずっともち続けて、ある時急に咳が出だして腰が痛くなって検査に行ったら、全身の骨転移と肺転移で、もう治療のすべもなく・・・なんて経過を取ることが、患者さんにとって本当にいいことだろうか・・と・・

誰が聞いたって、「それでいい」なんて思わないでしょう。当のドクターだって、もし自分がそういう立場になれば、胸の写真の一枚も定期的にとってみたくなるでしょう、採血なんて別に苦痛じゃないんだから・・生存期間が一緒だから、検査に意味がない??なんてえらそうな理屈が、日本の乳がん患者さん達の不安を取り除いてくれているわけがない・・・

患者さんがメンタルに元気でいられる、その手助けをするのも医療機関の大事な仕事だと思いませんか??このような考え方をする先生はどちらかというと大病院の先生達に多くて、患者さんがあふれかえっていて、診療時間を少しでも減らしたい、ベースにそんな気持ちがあるのであれば、それは患者さん本意の医療ではないでしょう。医療費削減や米国の標準診療の裏返しのメリットを、いかにも日本でも真実として振りかざす「良く論文で勉強している先生」には、ちっとは患者さんの身になってモノ事判断してみろよ・・っていってあげますよ。

僕はあるクリニックで乳がんの患者さん達を拝見していますが、どこだかのなんとか○○センターでは、術後の検査を一切してくれないから・・・と僕のところで定期的に検査をしている患者さん達がたくさんいます。
もちろんその患者さん達が、全身のいろんな検査を受けて、今回もどこにも異常がなくて良かったと嬉しそうに診察室を出ていく姿を見るときは、医者をやっていて良かったと思えるひとときです。

ま、そんなわけで、そのような米国かぶれの偉そうなドクターには「私が安心したいので検査をしてください。保健証を使わずに自費診療でもかまいません、また検査結果を聞くときには先生のお時間を取らせませんので、診察室に入っても椅子に座らずに立ったまま結果だけ聞いたらすぐに帰りますので、是非検査をしてください・・・」
とても言ってみてください。
それでも四の五の言って、検査をしてくれない先生だったら、診察室のドアけっ飛ばして出てきてください。病院としかるべき所へのご意見箱に「患者の気持ちを踏みにじるランキング最低評価の医師である」という投書をわすれずに・・・

ま、少し過激なお返事になりましたが、真相はそんなところです。
主治医の先生によろしく、ハッパかけてください。
では・・・


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