医語よろしく
2003年5月〜8月
2003.7.16
 融通の効かねえお役所病院・・・
数ヶ月前より、月刊「がんに克つ」というぴいぷる社の、読者向け医療相談のページの回答を担当することになりました。詳しくは「乳がん誌上Q&A」のページをご覧ください。

このページは、乳腺、婦人科疾患など女性のがんに対する「女性がん専門相談室」で、乳がんの補助療法やホルモン剤のこと、婦人科のパピロマウイルスと子宮頚がんのことなどに関するQ−Aが掲載されています。この中で毎月、乳腺科、婦人科かどちらかのある特定のテーマに絞った、複数のQ(患者さんからのご質問)が寄せらているのですが、乳腺に関するご質問には僕が答えています。では婦人科のがんに関することはどうしているかというと・・・僕一人ではやはり十分なお答えが出来ないので、がんを専門に診療されている婦人科の先生にも、お手伝いしていただいています。

そのお手伝いしていただく婦人科の先生探し・・の際の出来事です。皆さんご存じかどうかわかりませんが、こういう雑誌社の原稿とか書き物って、結構、締め切りが早いんです。たとえば、今日依頼が来て締め切りは3日後とか・・・僕一人でまかなえる乳がんに関する回答にしたって、いくつかのご質問に丁寧に、バーチャルクリニック(仮想診察室)の状態で、質問をしてきた患者さんが絶対元気になれるように説明する(文章を書く)・・・っていうのは結構大変ですよ、時間もかかるし気も遣う。そんな雑誌Q&Aの回答医師、僕はこういう仕事が会社の仕事なので、当然いくら大変だろうが時間がきつかろうができますが、普通に病院に勤務されているよその先生達にこの手の仕事をお願いするのは、・・もちろんただでというわけではなく、わずかですが原稿料という報酬が発生しますが・・・なっかなかそれでOKという先生は少ないわけですよ。忙しいからそんなことはしていられないとか、そんなに急な仕事は引き受けられない、とか、自分はがんの専門じゃないからその回答は出来かねるとか・・・

でも無理はないよね、皆さんご自分の仕事は病院内での医療行為だし、僕みたいにこれが仕事ってわけじゃないんだから・・結局知っている婦人科の先生達数人にお願いしてみても、いとも簡単にふられちゃった後に、○んセンターの婦人科の先生に電話でおねがいしてみたんです。原稿を急ぐこと、報酬(原稿料)が発生すること、出来れば先生の名前を雑誌に載せたいこと・・・一旦話は理解してもらえて、実はその先生ご自身は、そういう話は興味ある仕事だし、是非お手伝いしたのだけれど、まず婦人科の上の先生に尋ねてみるからと、しばし時間待ちを強いられました。そのうち戻ってきたお返事に・・実はぶっ飛んじゃったわけですよ。

病院の名前とその先生のお名前が雑誌に載ることがよろしいかどうか、来月の○んセンターの広報委員会に議題でかけて議論してもらう・・ことになったそうです。あん??来月だああ?!?!そんなことやってる暇はねえんだよこちとら・・・ここ何日かであげなきゃいけない原稿を、来月の会議までなんぞ、とてもやないけど待てまへん!!ので、とっととお断りしました。

まずそういう仕事で、病院名や医師名がでることはもちろん責任が伴うことだし、しかしそんなことは別にいつもの診察室で患者さんに対して責任ある診療をしていることと全く同じことだし、活字になるからまずいってのも変な話。逆にいえば病院の宣伝になる・・くらいのつもりで喜んでお受けしますってならないもんですかねえ。それに、これっぽちのことがどうして(仮にどこの上の誰まで話がいったのかわかりませんが)、しかるべき上の立場の人間が自分の責任でとっとと判断して、許可するなりノーと言うなり、その場で決められないモンなのかねえ・・と・・つくずく、呆れましたよ。

俺、その病院に居たんだ、10年も・・・ひょっとしたらそのときには自分もそんなことを当たり前に、上にご許可いただいてからなんて考えていたんだろうか??そんなことはした覚えないなあ・・新聞社の取材も、どこかの雑誌の原稿の依頼も、別に自分の判断でどんどん受けたけどな・・それこそ事後報告で・・・それがちゃんと「病院の年報:年間の病院業務をすべて記録集にしたモノ、もちろん診療した患者さんの数も手術件数も、ドクターの書いた論文の数も、すべての記録集なので、誰が仕事してて誰がろくなモンじゃなかったか一目瞭然の記録誌」に、広報活動として記載されていたけど・・・

ま、良いか、そういうお役所病院だから、しょうがないよね。何が大事か何をすべきか、病院として個人の意志として思考する回路をいっさい持たずに、単に会議をすることで責任のたらい回しをする。そういやあ、つまんねえ会議が、やったら多かったな・・それにつまんねえ会議が大好きな偉い先生がやったら多かったよ、そういう先生ほどろくに仕事しなかったけどね・・

こんなに融通に効かねえお役所病院、とっとと辞めてホントに良かった・・

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