医語よろしく
2003年1月〜4月
2003.3.15
 イレッサ問題・考・・続編・・・
時に、イラク問題をさしおいて、新聞紙上トップを飾る(?)イレッサ問題。その主たる論調は「副作用情報を適切にアナウンスしなかった該当メーカー唯一悪モノ説」であることは以前からず〜〜っと同じですね。ここまでの内容が一般人の目に触れることになると、果たしてこれは該当メーカーの社内内部告発でもあったのかと思わんばかりの過激さに思えます。
 某新聞社には「イレッサチーム」があり、該当メーカーの本社ビルに部外者を装って張り込み、社員のおしゃべりの内容をこっそり録音しているとか、売名行為を目的とした最低の医師達がイレッサに関する情報のあることないことをメデイアにリークしているとか、該当メーカーではあまりの事実に反するメデイアの報道に対し訴訟を起こすことまで考えているとか、まあ所詮うわさ話ですよ・・聞き流してください。
 当のメデイアも、昨年の春頃に、イレッサの承認審査中の厚労省部会での前向きな姿勢を「イレッサ異例のスピード承認」と報道していたことは皆様の記憶に鮮明でしょう。

 しかしここまでの報道で、次にいったいどんなアウトプットが世の中に必要だというのでしょう。以前も書きましたが、イレッサを使っている当の肺がんの専門医の先生達の中には、かえってしかるべき適正使用に落ち着いたあとに、あのような報道は無意味であるどころか、患者さんの無益な不安を助長するため決して歓迎されることではない、というご意見の持ち主もいるようですし、患者さんの団体からも今のメデイアの報道内容に疑問を感じているというご意見も伺ったことがあります。

 このイレッサのごたごたがきっと影響しているのでしょう。乳がん領域で、それこそ世界中で使われている優秀な制がん治療薬の承認が、日本での安全性に関するデータが不十分だからと言う理由で、ずいぶん遅れてしまったというとばっちりも生じているようです。
 一刻も早く、しかるべき根拠をモトに、目の前の患者さん達にお役に立てる治療薬を世の中に提供すること・・・が究極の最終目的であるはずなのに、やっぱり危惧したとおりがん領域の新薬の開発承認に、大きなブレーキになったようです。

3月上旬に、千葉県で日本肺がん学会の関東地方会が開催され、そのうち発表演題50数題のうち、なんとイレッサに関する演題が30以上もあったと聞きました。それだけ話題性の高いクスリであると同時に、これまで当たり前に使われていた既存の抗がん剤のかわりに、いかにイレッサが高い治療効果を期待できるクスリであるかということの現れだと考えます。

この報道はいつまで続くのでしょう。ひょっとしたら、夏前に米国のFDA(米国食品医薬品局=日本の厚労省のようなクスリの承認を司るお役所です)で、イレッサがOK(承認)になったら、そのまま日本での報道も収束していくのかなあ・・・と。なにせ日本で世界に先駆けて承認されたクスリですから。もう少しイレッサで勉強させてもらう時間が続きそうです・・

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