医語よろしく
2003年1月〜4月
2003.3.15
 がん代替医療「推薦」なし・・・
サプリメント摂取では逆効果の例も・・
         2003年2月5日 千葉日報記事より

サプリメントや針きゅう、マッサージという、がんの代替療法を有効性と安全性の面から評価したところ、がんの進行を抑えたり、患者の生存期間を延ばすのに「推奨」できるものは何一つとしてなかった―。こんな結果を米ハーバード大の研究グループがまとめ発表した。がんの代替療法に関する科学的評価としては、これまでにない詳細な内容で有害性を否定できないとして使用に反対する療法もあった。

<がんの代替療法についての評価結果>

      *米医学誌内科学アナルズによる。
        米国で販売中止の療法は除く
目的 がんの進行阻止や患者の
生存期間を延ばす
がんの症状や、一般的治療の副作用を緩和する
評価ランク
推 奨 なし なし
受容できる、場合によっては推奨できる ●潜在性前立腺がんへのビ
 タミンEサプリメント
●化学療法による吐き気
 や嘔吐(おうと)への
 針きゅう
●不安感へのマッサージ
●骨髄移植に伴う吐き気
 へのマッサージ
●リンパ浮腫へのマッサ
 ージ
●身体機能の向上と心身
 症状の緩和のための運動
受容できる ●乳がんへの脂肪制限
●前立腺がんへの脂肪制限
●野菜や玄米中心の食事
●潜在性以外の前立腺がん
 へのビタミンEサプリメ
 ント
●前立腺がんへの大豆サプ
 リメント
●サメ軟骨
●心身療法
●慢性の痛みへの針きゅう
●痛みへのマッサージ
反対 ●ビタミンAサプリメント
 (放射線療法や化学療法
  などの一部との併用)
●ビタミンCサプリメント
 (放射線療法や化学療法
  などの一部との併用)
●乳がんへの
  大豆サプリメント

代替療法が盛んな米国では、医師が患者から個別の療法の助言を求められることも多い。研究はこうした際に参考となるよう、主な療法の科学的根拠を整理するのが目的。

 これまでに発表された300篇の論文を、データ―の質も加味して分析、有効性と安全性の総合評価から「推奨」「受容できる、場合によっては推奨できる」「受容できる」「反対」の4ランクに分類した。
 がんの進行阻止や患者の生存期間を延ばす観点からは12の療法を検討。「推奨」は一つもなく、臨床的にはがんの兆候がない潜在性前立腺がんでのビタミンEサプリメント投与だけが、唯一「受容、場合によって推奨」とされた。

 酸化を抑える働きのあるビタミンAとCのサプリメント大量摂取は「反対」と評価された。。放射線や化学療法の一部と併用すると、これらの治療効果を弱める恐れがあるためという。
 乳がんに対する大豆サプリメントも、かえって乳がんの危険性を高める恐れを否定できないとして「反対」になった。

 がんの症状や一般的治療の副作用を緩和するという観点からは、7種類の療法を検討した。やはり「推奨」はなかったが、化学療法に伴う吐き気などへの針きゅう治療、不安感やリンパ浮腫へのマッサージ治療などが「受容、場合によって推奨」と評価された。

 慢性の痛みに対する針きゅうやマッサージも「受容できる」だったが、これは有害性の報告がないだけで有効性は未確認。「患者が希望する場合に意思を尊重する、との消極的評価と考えるべきだ」と指摘する声もある。

 今回の研究についてのコメントとして「代替療法への関心は高いが、効果や安全性についての研究は非常に少ない。米国では公的資金できちんとした科学的枠組みの評価作業が進んでおり、日本でも検討されるべきだろう」と締めくくられた。

ブレストサービス社での患者さんの医療相談の内容にも、実は代替療法、サプリメントに関するご質問がとても多いんです。来る6月の千葉乳腺疾患研究会でも、今回は乳がんの代替療法がデーマです。患者さん達の意識調査結果なども聞かれると思いますが、はて代替療法の行く末はいかに・・

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