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医語よろしく
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■2002年10月～12月
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 2002.10.15
元気をくれる髪の魔術師・・・
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女性のおしゃれの方法：お化粧、髪型、着るもの、バッグ、靴。その組み合わせでおそらく何百通りの変身パターンが出来るはず。
では男性はどうでしょう？？お化粧？？しないよね・・・髪型？おそらく毎日同じ・・・着るもの？スーツはそんなに何着も着回さない、せいぜいネクタイワイシャツのバリエーション、・・バッグ？これもたいてい毎日同じ・・・靴？気の利いた人なら何足かを履き替えて（その方が結局長持ちするらしい）でも、それっておしゃれのためじゃないかも・・
って見てみると、結局男性はおしゃれの術（すべ）が「あんまりない」って事になりますねえ。もちろん新しくおろしたスーツや靴を履く時には心うきうきしますが、せいぜいワイシャツネクタイくらいしか、毎日の自分を変える術がない？？毎日の自分を元気にさせる変身の方法はないみたいですよ・・・
僕はというと、がんセンターの時から、髪の毛は自分で切ってました。気が向いたら、自分でロットを捲いて部分パーマをかけてました。しかしセンター退職の少し前の夏に、生まれて初めて髪を染めてみたんです。これから「公務員」から「自由人」になるんだって・・まあそんな大げさな事は考えてなかったんですが、でも少し髪を茶色にしてみたら、これがまた、とても嬉しかったんですね。なぜって、これは誰に見せたいとか、こうしたから他の人にどう見て欲しいとか、そんなことよりなにより、「自分が元気に」なれたんです。
僕のこの感覚って、ひょっとしたら女性がおしゃれするのと、全く同じかも知れない。女性が化粧をしたり髪型かえてセットしたりする時って、きっと自分が誰に見て欲しいじゃなくて（もちろんそういう状況の時もあるでしょうが）なにより自分が元気になりたいからじゃないかな。男性が、ネクタイかえて元気になるっていう感覚ないですよね。
自分が元気でなくては、人に元気はあげられないでしょう。当然、診察中にも患者さんに元気をお渡しできるひとつのきっかけになったんです。だから、公務員にあるまじき・・とか、もうすぐセンターやめちゃうから「飛んじゃった」先生・・とか、不愉快な輩の発言など全く無視して・・・言いたい奴は勝手に言ってろ！！これで俺は元気になれて患者さんにも元気をあげられるんだから、良いだろう！！って・・・悔しかったらやってみな！！（いつもの悪い癖！！人からの誹謗中傷は、言ってる本人がヤキモチを焼いて、半分うらやましいと思っていると考えることにしているんです・・）
そんなわけでそれからも時々、ぼくの髪は茶色になるんですが・・この僕の髪の毛を茶色にして「元気」をくれる、魔術師（女性だから魔女か？！）をご紹介しましょう。センターの時からのおつき合いのある美容師さん。私の手術は先生に任せた・・から、僕も自分の頭はこの「サイコ美容室」に任せた・・・思う存分に、魔術をかけてもらうわけですよ。
サイコさんはとてもシャキシャキした活発な方で、でもいつも笑顔なんです。
「私は病気のあとの人生は、感謝の人生だと思う。いろんな人との出会いがあって、皆さんいい人だし、だから私は背伸びしないでゆっくりと好きなようにやっていくの・・」と・・僕のアタマいじりながらいつもおっしゃいます。
「先生ね・・私はこうして先生の髪の毛染めてるでしょ、デモね、この色は、もう二度と同じ色はだせないのよ・・今の髪の質とか色とか、薬液染料の混ぜ具合とか、今日の温度や湿度とか、いろんな要素がからみあって、だから今日染まった髪の色は、次には二度と同じ色にはだせないからね・・・」
医療って、もっとも保守的ではずれることの許されない職種でしょう。
今の髪の毛の染まり具合が、もう次は絶対に二度と同じには出来ない・・って言うのはある種の、僕がどっぷり浸かっている世界から遠く離れて自由闊達に飛び回れるユートピアを見せてくれているみたいで・・だから元気になれるんだろうな・・と妙に納得。
サイコさん、茶パツと元気をいつもありがとう。また元気もらいに行きます。
（しかし今回はちょっとやりすぎた？？不良中年などと批判する人もいるし、そこまで言わなくても必ず髪の色を話題にするけど、今年の夏は日差しが強くて髪が焼けたとか、部屋の電気照明の色がおかしいんじゃないの？ってうそぶいていたら、二～三回あうウチに見慣れてくれるからそのうち話題にしなくなる・・・しかし初めて名刺交換するような、偉い人と会うときには、実は朝、必死で黒のヘアマニキュア塗りたおしていくんだよね・・まあそれもおしゃれのウチでしょうか。）
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