医語よろしく
2002年4月〜6月
2002.6.28
 櫓(やぐら)を組んで、はや10年・・・
ふれあい広場注)夏祭りが、今年は数えて11回目の開催。毎年この季節になると、延々と終わらない乳腺外来をほったらかして(?)、暑い夏の夕方、実行委員とは名ばかりの設営隊長としての汗だくの任務を遂行して10年になる。県の公務員が本来の業務(俺はお医者さん)をほったらかして、こんな事としてていいんだろうか、まだ外来にはたくさん患者さん待ってたなあ、また今日も5時には終わらないぞ、でも患者さんが楽しんでもらえるように準備しているんだから、これは俺がやるしかないんだろう。でも俺より暇なやつはたくさん居るだろうに、なんで俺が・・ボランテイアっていったいなに?・・自問自答の中で、夏祭りの準備を進める。数年前までは設営部隊の主たる準備は、音楽部の音響設定に加え、万国旗をはり巡らせること、紅白の幕で会場を囲むこと、それに、盆踊り用の太鼓を乗せる櫓(やぐら)を組むことであった。しかし、いつの間にか予算(イコール寄付)も減り、経費節約のため、万国旗も紅白幕のレンタルも不可能となり、今年はとうとう、設営部隊の唯一の腕の見せ所は、櫓組みだけになった。金の切れ目は何とやらで、少し寂しい気もするが、実はこの櫓、もう俺がいちいち指図をしなくても、事務局の屈強のおじさんたちが、ものの見事に組み上げてくれるようになった事はうれしい限りである。盆踊りの時に、初めてバチを持って和太鼓を叩いた子供たちの、夏休みの絵日記の一ページには、自分が太鼓をたたく姿が描かれると聞く。IVHの点滴を持ったまま、「太鼓を叩いてみたい」と櫓にあがった細身の女性患者さんは、元気にしているだろうか?お世辞にも、決してうまくはない素人の和太鼓のリズムは、毎夏、仁戸名の林に響きわたると同時に、多くの患者さんの胸に、がんと闘うエネルギーを刻み込んでくれているのだろう。夏の夕暮れに、誰とはなしに組上げていく夏祭りの櫓は、ふれあい広場の本来の存在意義を誇示する、大事な心の櫓であり続けてほしい。

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注:「ふれあい広場」とは、千葉県がんセンターにあるボランテイア組織で、がんの治療のために入院や病院通いをしなくてはならない患者さん達のために、「イベント」を企画し、がん治療のメンタルポート、免疫力高揚活動を行っているものです。上記の「夏祭り」に加え、12月の「クリスマス会」、春の「紙飛行機大会」などが年間の大きな行事で、約2ヶ月に一度ずつ、入院患者さんを対象に様々な催し物を提供しています。

上の文章は、がんセンターの職員報「仁戸名だより」に掲載された、ふれあい広場夏祭りへの思いを綴った記事です。

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