医語よろしく
2002年1月〜3月
2002.3.14
 Breast Cancer is JAPANESE disease ? ・・・・
私は、今英語の勉強のために、駅前留学をしている。すなわち世で言うところのnova(ノバ)である。まだまだ全然ろくに喋れないので、その実力に応じたクラスのレベルは恥ずかしくてお話しできないが、そこで初めて会う、知らない女の子たちの前で(なぜか英語を勉強しにきているのは圧倒的に女性が多い、しかも結構若い子が)、自己紹介をする時、なぜあなたは英語を勉強するのか、と聞かれていつもこう答えている。
「僕は乳がん医者をやってますが、乳がんは西洋の病気です。Breast Cancer is western disease.」つまり、乳がんは、西洋では圧倒的に多い病気であり、もちろん女性の悪性腫瘍罹患率から言えば、ダントツトップ。米国などにおいては、戦前の日本中を脅かせた結核と同じく、また中世ヨーロッパに亡国病とまで言われたペストに匹敵するくらい、国民的関心度の高い、女性悪性腫瘍である。したがって、当然それに対する診療レベルも日本では想像できないくらい高度で、さらに、遺伝子をはじめとする研究も、新薬の開発も、乳がん撲滅に関する、早期発見、予防に対する行政サイドのアプローチも、必死である。
ところが、ここ日本では「Breast Cancer is most common in Japan(日本でも乳がんがもっとも多い)」にもかかわらず、言わせてもらえば、日本の乳がん医療は西洋の乳がん医療に比べれば、約**年は遅れている(はっきり書くと怒られそうなので、書けません)。確かに情報収集という意味では、最近の情報化社会、インターネットを中心とするメデイアのおかげで、Real Timeの情報収集は可能になっているけれど、しかし、乳がんに関する、日本人の意識は、やっぱり西欧からは比べものにならないくらいお粗末。このコラムは、現在の日本の乳がん医療のお粗末さを憂う、究極の暴露記事ではないが、まあそれはそれとして、…anyway,
だから、乳がん医療に関する最新の情報はすべてアメリカやヨーロッパから入ってくるし、今の日本の乳がん医療を支える多くの臨床経験はほとんどが欧米からの輸入でまかなっている。その情報はもちろん英語で輸入される。だから英語が読めなくては話にならないし、また、英語圏から来る著名なドクターの、最新の情報に関して、学会や研究会での講演を聴くときには、耳が外人になっていなくてはついていけない。さらに彼らと乳がんの診療に関して議論するときには、もちろん英語でするしかないので、口まで外人にならざるを得ない。ここは日本だからと日本語でがんばる輩もいなくはないが、大勢の前で、僕は英語はできませんと無能をさらけ出すようなまねもふつうの感覚の持ち主では無理である。ましてやお医者さんはプライドが高いので、分からない英語も、わかる振りをして聞いているうちに、学会前日の夜のご乱行がたたって、講演会場の椅子で、船頭さんに早変わりする。所詮、日本語はまったく国際社会には相手にされていないので、「はいろかやめよか」、なんて言ってはいられないから、英語を勉強するしかないがゆえ、こうしてNovaに来る。この年にして、英語を勉強しなくてはならないなんて、数年前までは考えられなかった。でも、今は、少なくとも最も新しい、おそらく最も正しい乳がん医療を、日本の乳がん患者さんたちに提供するためには、乳がんの勉強イコール英語の勉強という図式は、ほぼ正しいといえよう。
さて、私のノバでの悪戦苦闘については、語り始めるときりがないので、次の話題に行こう。
・・・・・またの機会に続く

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